目次
水瓶座と3つの幸運の星たち
美と若さ、叡智と恵みを運ぶ「天の水瓶」
■ 水瓶座の神話 ー 美少年ガニュメデスの物語
水瓶座は、大きな水瓶を抱えた美少年「ガニュメデス」の姿とされています。
ゼウスが地上にいた羊飼いの美少年ガニュメデスに一目惚れし、鷲に姿を変えて彼を天へ連れていった…という神話がその背景にあります。
ちょうどその時期、神々に神酒ネクタルを注いでいた青春の女神ヘーベがヘラクレスの妻になるため、その役を退くことに。代わりを探していたゼウスは、ガニュメデスを見初め、彼に神々への奉仕という役割を与えました。
両親を案じたガニュメデスに、ゼウスは永遠の若さと美しさを与え、また両親には名馬を贈って安心させたとされています。その後、彼の姿は夜空に昇り、水瓶座として輝くようになります。
この水瓶から流れる水は、みなみのうお座の魚の口へと注がれており、秋の夜空を潤すように、数々の「水にまつわる星座」をつなぐ存在でもあります。
■ サダルスード(Sadalsuud)
「幸運の中の幸運」 ー 幸運が自然に舞い込む星
- 度数:水瓶座23°23′
- アラビア語の意味:幸運の中の幸運
- 影響天体:土星、水星
- キーワード:調和、無意識の流れ、ネットワーク、繁栄、幸運な出会い
水瓶座の左肩に位置する恒星で、サダルスードは「幸運の中でも最も幸運」と呼ばれる星です。
意識的に何かを求めるよりも、自然の流れに身を任せたときに大きな幸運を引き寄せるとされます。
この星のエネルギーを持つ人は、時代や環境との「自然な調和」がうまく、無意識の流れに乗ることで、必要な縁や物事を引き寄せることができます。霊的な縁や目に見えない絆が幸運を運んできてくれるのも特徴。
■ サダルメリク(Sadalmelik)
「王の幸運」 ー 意志で切り開く、水脈を見つける星
- 度数:魚座03°21′(水瓶座の領域)
- アラビア語の意味:王の幸運
- 影響天体:土星、水星
- キーワード:理性、叡智、創造、ビジョン、導き、豊かさの源
水瓶座の右肩に輝くサダルメリクは、「王の幸運」を象徴する恒星。
サダルスードが「自然に舞い込む幸運」だとすれば、こちらは「意志で手に入れる幸運」。
自分の中にある理想や知識、アイデアに水を引き、育て、現実化していくような力。自分で水脈を掘り当てるように、豊かさの源泉を発見し、それを継続的な恵みに変える人に輝きを与える星です。
自立心が強く、自分自身の中に道を見出す人に力を与えるとされます。精神性・知性と結びついており、占星術や叡智にも関連する星です。
■ サダクビア(Sadachbia)
「家(テント)の幸運」 ー 新たな始まりを祝福する星
- 度数:魚座06°43′(水瓶座の右腕)
- アラビア語の意味:家の幸運
- 影響天体:金星、水星
- キーワード:移動、新生活、隠されたもの、新しい挑戦、発見
この星はアラビアの遊牧民にとって特別な意味を持っていました。サダクビアが太陽と重なる時期(2月下旬)は、虫たちが地上に現れ、遊牧民が冬の住まいから春の草地へと移動する合図でした。
そのため、「新しい始まり」「準備を整え、出発する時」「移動や変化の成功」を示すとされます。隠されたものを見つけ出す力も持っており、ホラリー占星術では「なくした物が見つかる星」としても知られています。
新しい環境へ移るとき、変化を起こすとき、この星の影響を受けているなら、安心して前へ進む勇気を後押ししてくれるでしょう。
■ まとめ:水瓶座の恒星たちが語るメッセージ
水瓶座に関わる恒星たちは、いずれも「恵み」や「豊かさ」、そして「変化と幸運」を象徴しています。
- 自然な流れに身を任せることで得られる幸運(サダルスード)
- 自分の内側にある知恵や夢を育てることで得られる成功(サダルメリク)
- 新たな旅立ちを祝福し、挑戦を後押しする力(サダクビア)
いずれの恒星も、人生の中で何かが「動き出すとき」や「変化のタイミング」に関わってくる星です。
これらの星々がチャートの中にあるとき、そこに込められた神話や象徴を通して、自分がどんな流れの中にいるのかを知ることができます。
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