ぎょしゃ座-恒星(カペラ/メンカリナン)


【恒星占星術】ぎょしゃ座(御者座)とは?カペラ・メンカリナンの意味と神話・特徴を解説

ぎょしゃ座(Auriga)は、冬の夜空でよく目立つ星座のひとつで、特に「カペラ(Capella)」という明るい恒星で知られています。この記事では、ぎょしゃ座の神話やその主要な恒星であるカペラ、メンカリナンについて詳しく解説します。


■ ぎょしゃ座(Auriga)とは?

ぎょしゃ座は、冬の代表的な星座のひとつで、全天で6番目に明るい星「カペラ」を含みます。
ラテン語で「御者」を意味し、馬車の御者をモチーフとしています。

▸ 星座の形と特徴

  • 五角形に近い形をしており、冬の大三角や冬のダイヤモンドの一部にもなっています。
  • 北緯約40度以上の地域では1年を通して観測できる星座で、日本の北海道などでは年間を通して見えることでも知られます。

■ ぎょしゃ座の神話

ぎょしゃ座に関する神話はいくつかありますが、最も有名なのはアテネの王「エリクトニウス」にまつわるものです。

  • エリクトニウスは、鍛冶神ヘパイストスの息子であり、知恵と政治に長けた人物。
  • 足が不自由だった彼は、自身の移動手段として馬車を発明し、それを戦いや政治に活かしたと伝えられています。
  • その姿が「文明の発展」や「技術革新」の象徴として夜空に残されたのが「ぎょしゃ座」です。

また、肩に山羊を抱えている姿で描かれることが多く、これは後述する恒星カペラ(Capella)と関係しています。


▼ 恒星①:Capella(カペラ)

  • 位置(2024年現在):双子座21°52′(黄道帯上の位置)
  • 等級:0.08(ぎょしゃ座で最も明るい星)
  • 分類:黄色巨星(実際には連星)
  • 名称の意味:「小さな雌山羊(ラテン語)」

▸ 天文学的特徴

  • 実際には2つの黄色巨星と2つの赤色矮星からなる四重連星系
  • 地球から約42.9光年の距離にあり、全天で6番目に明るい恒星
  • 北緯46度と高いため、日本のほとんどの地域で冬の間中、非常によく見える星

▸ 神話的・占星術的意味

  • カペラは、ギリシャ神話に登場する山羊アマルテイアと関連。
    アマルテイアはゼウスを育てた神聖な山羊で、豊かさや育成、慈愛の象徴です。
  • 占星術では以下のような意味を持つとされます:
キーワード内容
知的好奇心学びや研究への興味
名誉と昇進高い地位や公的な評価を得やすい
財産と富経済的豊かさに恵まれる傾向
自由と独立束縛を嫌い、自分のペースで生きることを重視
行動力と衝動性思い立ったら即行動のエネルギーも

また、「ベヘニアン恒星」として魔術的・植物的シンボルとも関係しており、サファイア、タイム、ホアハウンドなどの象徴を持ちます。


▼ 恒星②:Menkalinan(メンカリナン)

  • 位置(2024年現在):双子座29°55′(黄道帯上の位置)
  • 等級:1.9(ぎょしゃ座で2番目に明るい星)
  • 名称の意味:アラビア語で「(右)肩」

▸ 天文学的特徴

  • カペラに次ぐ明るさで、ぎょしゃ座の右肩にあたる位置にあります。
  • 連星で、地球からの距離は約81光年。

▸ 占星術的意味

  • 非常にエネルギッシュな星で、以下のような特徴を象徴します:
キーワード内容
強い意志と野心目標を達成するまで諦めない力
活発・戦闘的精力的に行動し、時に強引さも出る
話術と人気コミュニケーション力が高く人に注目されやすい
衝動と頑固さ感情が先走りやすく、トラブルの原因になることも

占星術では火星や水星的な影響を強く受ける星とされ、自己表現や論理的対話、主張の強さに関係する場面で影響を与えるとされます。


まとめ:ぎょしゃ座の恒星たちが教えてくれること

星名意味・象徴特徴
Capella(カペラ)育成、名誉、自由、学び豊かさと好奇心に満ちた知的な星。冬の空でひときわ輝く存在。
Menkalinan(メンカリナン)意志、行動力、競争、衝動力強く自分を表現しようとする推進力をもつ星。時に急ぎすぎる傾向も。

ぎょしゃ座全体を通じて共通するテーマは「知恵、育成、行動、そして自由の追求」。
そのエネルギーは、古代における人類の発明と進化を象徴すると同時に、現代の私たちにも「自らの人生を動かす力」を教えてくれています。


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