目次
✦ おおぐま座とこぐま座 〜神話に隠された親子の物語〜
夜空を見上げたとき、北の空に大きく広がる「北斗七星」。
これはおおぐま座の一部であり、その物語はギリシャ神話に登場する親子、カリストとアルカスに由来します。
美しく生き生きとした女性、カリストは、月と狩りの女神アルテミスに仕えていました。
ある日、地上に降り立った大神ゼウスが彼女に一目惚れし、無理やり愛し合い、カリストはゼウスの子を宿します。
アルテミスはそれを知ると怒り、カリストを熊の姿に変えてしまいました。
時は流れ、息子アルカスは立派な若者に成長。狩人となった彼は、森で熊となった母カリストと遭遇します。
しかし母とは知らずに弓を向けたその瞬間、ゼウスが2人を救うため、親子を共に天空へと上げ、星座に変えたのです。
こうして生まれたのが、おおぐま座とこぐま座。
また、熊なのに尻尾が長いのは、ゼウスが天に引き上げた際、尻尾を掴んで引っ張ったためとも言われています。
こぐま座の尾の先には、航海の目印にもなる「北極星(ポラリス)」が輝きます。
✦ おおぐま座に輝く恒星たち 〜個性と意味〜
おおぐま座の中でも、特に北斗七星を形作る恒星たちは、占星術的にも深い意味を持ちます。
それぞれの恒星のエネルギーをご紹介します。
🌟 Dubhe(ドゥベ) 獅子座15°12′
- 意味:静かな強さ、理想、プライド、芸術性、知性、説得力
- 特性:
- 寡黙で慎重、不信感を抱きやすい
- 忍耐力があり、静かに問題を解決する
- 直感力、地に足のついた生き方
- 伝承:アラビア語で「熊」を意味し、北斗七星の一つ。森の精霊カリストに結びつけられる。
- 天体との関係:
- 火星の性質を持ち、破壊的な側面も。特に土星と重なると影響が強い。
🌟 Merak(メラク) 獅子座19°16′
- 意味:活動的、支配的、強い意志、成功
- 特性:
- 忍耐強いが、興奮すると怒りや復讐心を持つ
- 人生において力を増す性質
🌟 Phecda(フェクダ) 乙女座0°
- 意味:冒険心、創造力、社交性、贅沢、プライド
- 特性:
- 楽観的で情熱的、大胆さと日和見主義が同居
🌟 Alioth(アリオト) 乙女座8°
- 意味:判断力、純粋さ、競争心、自己中心性
- 特性:
- 勝ち負けにこだわり、批判的になる傾向
🌟 Mizar(ミザール) 乙女座15°42′
- 意味:真面目さ、責任感、実利主義、芸術性
- 特性:
- 創造性と破壊性の両面を持つ
- 伝承:
- すぐそばに「アルコ(Alcor)」という小さな星があり、これを肉眼で見分けられるかが古代では視力検査になっていた
- 「死兆星」「寿命星」とも呼ばれた
🌟 Alkaid(アルカイド) 乙女座26°56′
- 意味:理解力、活発さ、批判的、適応力
- 特性:
- 新たな環境に素早く適応
- 実務分野での権威
- 伝承:
- アラビア語で「指導者」を意味し、魔法から守る力も持つとされた
- ベヘニアン恒星(特別な力を持つとされた恒星群)のひとつ
✦ まとめ|おおぐま座が教えてくれること
おおぐま座の恒星たちは共通して、
「静かな力」「忍耐」「直感力」を象徴しています。
華やかに目立つ星々でありながら、
その本質は、外ではなく内側の強さを見つめることにあります。
▶︎【静かに、しかし確かに、自分自身の軸を育てる】
▶︎【目には見えない絆や信頼を大切にする】
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