ケフェウス座|王の星座に宿る、静かなる威厳と調和
ケフェウス座は、古代エチオピアの王ケフェウスにちなんで名づけられた星座です。
彼は絶世の美女アンドロメダの父であり、傲慢な女王カシオペアの夫でもあります。
神話では、ポセイドンの怒りにより王国が危機に陥る中、愛する娘を生け贄として差し出すという、苦渋の決断を下した王として描かれます。
その姿は「王とはなにか」「真のリーダーとはどうあるべきか」という問いを私たちに投げかけます。
中世ヨーロッパでは、ケフェウスはソロモン王と同一視され、知恵と統治の象徴ともされました。
アルデラミン|右肩に宿る王の恒星
アルデラミン(Alderamin)は、ケフェウス座の右肩に位置する青白い恒星。
名前はアラビア語で「右腕」を意味します。
牡羊座12°46’付近にあり、土星と木星の性質を持ちます。
さらにこの星は、地球の歳差運動の関係で、約7500年後には北極星となる特別な恒星です。
それゆえ、“失われた王の星”とも呼ばれ、時代の移り変わりとともに再び王座に返り咲くような、静かで品格ある威厳を象徴しています。
アルデラミンの星読み的メッセージ
この恒星が個人のチャートに関わるとき、以下のような資質が表れやすいとされます:
- 静かな威厳と統率力
└ 派手さではなく、落ち着きと品格によって人を導くタイプ - 礼儀正しく、調和を大切にする
└ 地に足のついた穏やかなリーダーシップ - 集中力と特定の才能に秀でる
└ 芸術や表現にも向いており、劇作家や役者に好まれる配置 - 孤独な立場にも耐える強さ
└ 表舞台ではなくとも、自分の信念を静かに貫く人物 - 女性性・地球性と調和する男性性
└ 男性性に偏らず、柔らかく包み込むようなエネルギーを帯びている
この星を持つ人は、見えないところで信頼を築き、人々の心を支える“縁の下の力持ち”であることが多いでしょう。
派手さや声の大きさではなく、“存在そのものに重みがある人”です。
▽ ケフェウス座と星の神話から学べること
ケフェウスとアルデラミンのストーリーは、「力を持つとはどういうことか」を教えてくれます。
それは他人を支配することではなく、
自らの信念を貫きながら、調和の中で人々を導いていく静かな力。
アルデラミンは、時を超えて再び北極星となる――
その姿は、「本当の価値は一時の人気ではなく、時を経てなお輝く内なる品格」を象徴しているのかもしれません。
コメント