かみのけ座とは?
かみのけ座は、夜空の中でもぼんやりとした光の帯のように広がる星々の集まりです。
明るい3つの星と、約40個ほどの星からなる散開星団が、美しい髪の毛のように広がって見えます。
その姿にちなんで、「かみのけ座(Coma Berenices)」と呼ばれるようになりました。
この星座は、ある古代エジプトの物語に由来しています。
王妃ベレニケの祈りと犠牲の物語
はるか昔、エジプトの王妃ベレニケ2世は、自分の美しい髪を誇りに思っていました。
ある日、彼女の夫であるプトレマイオス3世は、遠くへ戦争に向かわなければならなくなります。
不安に包まれたベレニケは、愛と美の女神アフロディーテにこう祈りました。
「どうか、私の夫を無事にお守りください。夫が帰還した暁には、私の髪を女神に捧げます。」
やがて、プトレマイオス3世は無事に戦争に勝利し、帰還。
約束通り、ベレニケは自慢だった美しい髪を切り落とし、アフロディーテに捧げました。
その献身的な想いに心を動かされたアフロディーテは、
ベレニケの髪を天に掲げて、星座に変えたと伝えられています。
それが、今夜空に輝く「かみのけ座」です。
恒星ディアデム(Diadem)について
かみのけ座の中でも特に注目される恒星が「ディアデム(Diadem)」です。
天秤座08度57分に位置するこの星は、名前の通り「冠(かんむり)」を意味します。
これはベレニケ2世が実際に身に着けていた冠にちなんで名づけられました。
また、アラビア語では「ひも」を意味するアル・ダフィラとも呼ばれています。
ディアデムは5等級の連星(2つの星が互いを回るペア)で、約25.87年周期で回転しています。
実際には、かみのけ座のβ星よりもわずかに暗いα星です。
ディアデムが持つ象徴
出生図でディアデムが強く影響する場合、次のような特徴が表れるとされます。
- 自己犠牲的な愛
他人への愛や奉仕のために自らを捧げる傾向があります。 - 静かな強さと品位
派手に目立つことなく、静かに強さを発揮します。 - 集団や共同体への献身
個人の名声を求めず、福祉やコミュニティのために尽くす姿勢を持ちます。 - 女性的な芯の強さ
優雅さと忍耐力を併せ持つ、しなやかな強さを象徴します。
ベレニケの物語が示すように、
「大切なものを守るために、自らの誇りや美をも差し出す」という美しい精神が、ディアデムには息づいています。
【まとめ】かみのけ座とディアデムから学べること
項目 | 内容 |
---|---|
星座名 | かみのけ座(Coma Berenices) |
恒星 | ディアデム(Diadem) |
神話 | 王妃ベレニケ2世が夫の無事を祈り、自慢の髪を女神に捧げた |
象徴 | 自己犠牲・献身・静かな強さ・共同体への奉仕 |
天体位置 | 天秤座08度57分付近 |
キーワード | 犠牲・福祉・支援・品位・女性の強さ |
このように、かみのけ座とディアデムは、
「愛する人のために何かを捧げる強さ」
「静かに社会に貢献する美しさ」
を象徴しています。
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